泡沫模様

浮かぶ気泡の世界

【S32使用構築】守破離バドザシ【最終86位】

【はじめに】

ラムネハヅキ(TN:ハヅキ)です。S32お疲れ様でした。
目標としていた最終順位2桁を達成できたので、使ったパーティを記事にまとめたいと思います。

【並び】

【コンセプト】

1.同系統の既存構築と差別化を図り、対戦相手との認識をずらす
2.上記を利用し、アドを取って勝つ

【構築経緯】


ランクバトルでなかなか勝てず悩んでいたので、自分の得意戦術は何か見直すことから始めました。今までのシーズンを振り返ったところ、「対戦相手との認識のズレを利用して勝つ」ことが得意であるように感じたので、その要素を盛り込むようにしました。

①②
S30最終1位のザシアン黒バドレックスの並びに興味を持ち、軸として採用しました。環境にいるバドザシ構築のバドはスカーフか襷が多く、それ以外の強い型を使うことで前述のコンセプト(=相手と自分の認識をずらす)にそぐう形になると考えました。試しに食べ残し持ちのやどみが型で使ったところ、まずまずの使用感だったため続投しました。
 この並びのザシアンは一般的にHAが多いため、バドザシミラーで有利になるよう、HaSベースのザシアンを採用しました。


バドレックスの不利対面をカバーするクッションとしてガオガエンを採用。禁伝2体がメタモンにコピーされたときの引き先も兼ねるため、役割遂行のために調整・持ち物はHDゴツゴツメットとしました。

④⑤
ここまでで重い珠サンダーやイベルタルと撃ち合えるポケモンを探したところ、最速怪電波サンダーチョッキランドロスが当てはまったので採用。


最後に水の一貫を切れるポケモンが欲しく、ガマゲロゲやトリトドンも試しましたが、最終的には貯水ヌオーを採用しました。カイオーガ対策枠として相手からの見えづらさ、構築コンセプトとマッチする点を評価しての採用です。


6匹の並び自体は特段珍しいものではありませんが、随所にテンプレから少し外した要素を取り入れることで、対戦相手の予想の範囲に収まらない構築となるよう意識しました。

【個体紹介】(採用順)

バドレックス@たべのこし
特性:じんばいったい
性格:おくびょう
実数値:193(140)-81-114(108)-186(4)-121(4)-222(252+) ※A最低値
アストラルビット / おにび / やどりぎのタネ / みがわり
・アストラルビット:命中安定かつ反動無しで威力120を叩き出せるのは強いので採用
・やどりぎ/身代わり:やどみがしたいので採用
・鬼火:物理全般を誤魔化し、対応範囲を広げるために採用

H:16n+1
B:244ザシアンの巨獣斬(1↑)(火傷)を食べ残し込みで216/256(84.4%)で2耐え
   168ガオガエンの蜻蛉返りを身代わりが確定耐え
C:アストラルビット → 197-136ザシアンを205/256(80.1%)で2発

D:194珠サンダーのD暴風を15/16(93.7%)耐え
S:最速

 バドザシのバド。やや珍しいやどみが型で採用しました。襷やスカーフと比較したときの主な強みは
・やどみがによるタイプ相性を無視した削り・嵌めができる
・身代わりでの様子見(DM枯らしや補助技透かし)ができる
 上記が挙げられます。並びから拘りのイメージが強いためか、バンギやポリ2に一旦引くという動きを誘発しやすく、有利対面身代わりからやどみがに移行する動きがよく決まりました。相手のバド受けに展開を握らせず、逆にテンポを取れるのがこの型の最大の強みです。技構成に関して、4枠目に鬼火を採用したことで対応範囲が広がり、初手性能を高めることができました。ここは挑発やバトンタッチなどでも面白そうです。
 総じて、普通のバドレックスと比べてパワーは劣るものの、想定外を押し付ける構築の主軸として大きな枠割を担ってくれたと思います。

ザシアン@くちたけん
特性:ふとうのけん
性格:いじっぱり
実数値:197(236)-213(28+)-141(44)-×-136(4)-193(196)
きょじゅうざん / インファイト / こおりのキバ / つるぎのまい
・巨獣斬:ザシアンをザシアンたらしめる技なので確定
・インファイト:バドが呼ぶ悪ノーマルへの打点
・氷のキバ:ランドロスに対して引き先を用意しづらい構築のため採用。ジガルデへの打点でもある
・剣の舞:火力増強手段が欲しく、速めのSを活かしやすそうと考えたので採用

H:6n-1(ゴツメダメ最小)
A:巨獣斬(1↑) + ゴツメ1回 → 155-141ザシアン(メタモン)を14/16(87.5%)で落とす

   インファイト(1↑) → 無振りエースバーンを14/16で落とす
B:213ザシアン(メタモン)の巨獣斬(2↑)を14/16耐え
   244ザシアンの巨獣斬(1↑) + 電光石火(1↑)を253/256(98.8%)耐え
S:意地ザシアンの中で速め
   最速エースバーン+5

 バドザシのザシ。バドレックスと組むに当たり、バドの苦手なイベル・ポリ2・バンギなどに強い圧力をかけられることから、最も攻守の補完に優れた相方だと思います。本構築では次の理由からHaSベースとしました。
・メタモンの+2巨獣斬を耐えて返しの巨獣斬+ゴツメで落とせるようにしたい
・単純にザシアンミラーで上を取れる確率を上げたほうが勝ちやすそう
 実際、意地っぽいザシアンに対してはだいたい上を取ってくれたので間違いではなかったと思います。また構築上重いメタモンに対して、コピーされても一度は対面で動けることが勝ちに繋がった試合も多かったです。技構成に関しては検討の余地ありですが、強気に剣舞を押せた試合はだいたい勝てた印象で、相手から見えない勝ち筋として機能していたと感じました。

ガオガエン@ゴツゴツメット
特性:いかく
性格:しんちょう
実数値:201(244)-136(4)-111(4)-×-154(236+)-83(20)
フレアドライブ / DDラリアット / とんぼがえり / ちょうはつ
・フレドラ:一致技。ザシアンへの遂行技
・DDラリアット:一致技。バドレックスへの遂行技
・蜻蛉返り:対面操作用。襷やばけのかわをつぶすために捨て台詞ではなくこちら  
・挑発:ポリ2の再生を防いだりノーウェポン勢に撃つ技として採用。ダイウォール媒体

A:フレアドライブ + ゴツメ1回 → 155-141ザシアン(メタモン)を確定1発
B:213ザシアン(メタモン)の巨獣斬(1↑)を確定2耐え
D:231バドレックスのDアストラルビット(1↑)を218/256(85.2%)で2耐え
      186バドレックス(メタモン)のアストラルビット(2↑)を確定2耐え

S:12振りポリゴン2抜き

 クッション枠。本構築はバドがスカーフでも襷でもないため、メタモン対策はこのポケモンが大きな要となっています。メタモン入りに対してバドザシガエン選出を行うためにゴツゴツメットを持たせました。これによりザシアンをコピーしたメタモンに対して、こちらのザシアンが+2巨獣斬を耐え、返しの巨獣斬+ガエン出しでメタモンを処理することが可能になります。
 相手の黒バドを受けるためにほぼHD特化としていますが、サイクル下で疲弊したりC上昇ダイアースなどを撃たれると普通に負けるため、チョッキ持ちと比べてHP管理がシビアでした。それでもバドザシ両方に対して動けるクッションという点で他のポケモンにはない強みがあると思います。

サンダー@いのちのたま
特性:プレッシャー
性格:おくびょう
実数値:179(108)-×-105-164(148)-110-167(252+)
10まんボルト / ぼうふう / かいでんぱ / はねやすめ
・10万ボルト:非ダイマで技を撃つことが多かったので火力・命中安定の10万
・暴風:ダイジェット媒体
・怪電波:主に珠サンダーのダイマをいなすために採用
・羽休め:同上&プレッシャーによるPP枯らしもできる

H:10n-1(珠ダメ最小)
C:なるべく高く
      D10万ボルト → 165-110サンダーに86.1~102.4%

D:194珠サンダーのD暴風(2↓)+Dライジングボルト(2↓)×2を羽休め1回込みで99.5%耐え
     177珠サンダーのD10万ボルトを13/16耐え

S:最速

 ここまでで相手の珠サンダーが重く、対策を考えたとき現環境には控えめ珠サンダーが多いことから、最速怪電波サンダーが刺さっているのではないかと思い採用(バドの苦手なイベル対策も兼ねています)。相手のダイマを枯らしたあとにこちらのダイマを通す展開を想定し、最もパワーの出る珠を持たせました。実際のミラー対面でもダイマを切られたときはほとんどの場合上から怪電波が通り、前述の展開にすることができました。
 怪電波はサンダー対面以外でも、ダイジェット後に相手の黒バドに撃ったり、ルギア相手にTODしたりと立ち回りの幅を広げてくれました。特性は静電気も強いですが、素早さ判定やTODなど確率に依存しない活かし方ができるプレッシャーの方が個人的に好みです。

ランドロス@とつげきチョッキ
特性:いかく
性格:ようき
実数値:165(4)-193(220)-111(4)-×-104(28)-157(252+)
じしん / そらをとぶ / ストーンエッジ / じばく
・地震:メインウェポン
・空を飛ぶ:ダイジェット媒体
・ストーンエッジ:イベルタルやサンダーへの打点
・自爆:あくびループ切りやダイアタック媒体として使用

A:D地震×2 → 202-150ヌオーを75%で落とす
      Dストーンエッジ×2+砂ダメ×2+珠ダメ×2 → 201-116DMイベルタルを94.1%で落とす
      自爆 + ザシアンの巨獣斬 → 180-95DMガマゲロゲを81.3%で落とす

D:201珠イベルタルのDデスウイング+D悪の波動をDM時に232/256(90.6%)耐え
      194珠サンダーのD暴風を確定耐え

S:最速

 サンダーやイベルタルと撃ち合うポケモンが怪電波サンダーだけでは心もとなく、物理方面でダイマして強いポケモンを探したところチョッキランドロスが該当したので採用。対策の甘いレシラムやゼクロムに強めなのもポイントです。
 技構成の4枠目は自爆を採用。ダイアタックでのS下げから裏に繋げる動きが便利な点と、重いガマゲロゲの処理ルートとなる点(自爆→巨獣斬で高乱数)を評価しました。性格は最速90族・準速95~100族辺りの上を取れる、ダイジェット1回で最速ザシアンを抜けるなどの利点から陽気最速としていますが、与ダメの乱数が色々と怪しいので意地A特化の方がよかったかもしれません。

ヌオー@オボンのみ
特性:ちょすい
性格:しんちょう
実数値:202(252)-105-108(20)-×-126(236+)-55
じしん / どくどく / のろい / じこさいせい
・地震:オーガザシアンに一貫する打点。ダイアースのDアップが偉い
・毒々:浮いている相手に対する詰め筋
・鈍い:単体の詰め性能を高める積み技
・自己再生:回復技

A:D地震(1↑) → 167-135ザシアンを確定1発(目安)
      地震(1↑) → 207-156カイオーガに対して28.0~33.3%
B:244ザシアンのじゃれつく(1↑)を15/16(93.7%)耐え     
D:222カイオーガのD吹雪が46.0~54.5%
      145サンダーの暴風を確定2耐え

 カイオーガ対策枠。この枠は当初トリトドンやガマゲロゲを試していましたが、オーガ対面で水無効枠への交代を前提とした立ち回り(ザシ/バド対面ダイアイス、交換読み交換など)をされることが多く、相手の読み行動を読む・読まないの択が生じているように感じていました。
 そこで相手から見えづらい引き先とすれば解決できると考え、貯水ヌオーを採用しました。結果、潮吹きやダイストリームへの後出しに成功する場面が格段に増えたのでこの採用は間違いではなかったと思います。
 オーガの水技に受け出した後、場合によってはそのまま詰めていけるよう鈍いを採用。裏のザシアンや身代わり瞑想オーガにも強くなるため、オーガ入りに対する勝ち筋として機能しました。型自体は初見殺しに近いですが、天然ヌオーが一般的な現環境において、十分選択肢となる型だと感じました。

【選出】

基本的には相手の構築に合わせて臨機応変に選出しますが、
多かった選出パターンを挙げます。

バドザシガエン
最も多かった選出で、禁伝2体+クッションの形。対応範囲の広いバドを初手、不利対面をカバーするガエン、ラストにザシアンといったイメージです。バドの型が読まれづらい分、そこでアドを稼げれば勝ちやすいです。
-------------------
VS オーガザシアン
など
ヌオーを優先的に選出し、残りは全体への刺さり具合で決めます。
------------------------
VS バドザシ
など
珠サンダーを初手に置かれることが多いため、こちらも積極的にサンダーを初手置きして怪電波を撃ちにいきます。相手の黒バドを上から処理する手段が乏しく、こちらのガエンを削ってからバドを通す立ち回りをされると苦しい展開になりがちです。
------------------------
VS イベザシ
or  orなど
バドイベル対面が出来るとダイジェットで裏ごと貫かれてしまうため、極力ランドやガエンを対面させてダイマを切って処理することを意識していました。
------------------------
VS ホウオウ絡み
 orなど
------------------------

<選出率>


だいたい採用順になっていました。

【結果】

  最終86位 / 85勝47敗

【動画】

最終日対戦の一部を動画にまとめました。

【あとがたり】

・記事タイトルについて
 武道関連の言葉で「守破離」という言葉がありますが、その表す意味がポケモンの構築作りにも通じるものがあると思いました。

「守破離(しゅはり)」とは、茶道や武道の修業における段階を示したもの。
「守」:教わった「型」を守る
「破」:修行を積むことで、既存の「型」を破ることができるようになる
「離」:さらに修行を重ねることで、新しい独自の型を作り出す

 構築作りの中で、他人の構築を真似て、そこに自分なりの改良を加え、やがて自分の構築として完成させるという経験をしてきた人も多いと思いますが、本構築もそのような過程を経てできたものであることから「守破離バドザシ」としました。

 ここまで読んで頂きありがとうございます。何かあればTwitter(@RamuniumZ)までお願いします。